小学校教育の未来~21世紀社会を生きるために必要な力を養う~

グローバル社会を生きる力

小学校への入学を控えるお子さんの10年後、20年後は、どのような世界になっているでしょうか。
21世紀はかつてない変化の激しい時代といわれています。グローバル化・情報化がますます進み、国境を超えた人々の交流や文化・政治・経済活動は今よりもさらに広がっていくに違いありません。そのなかで世界規模の課題も次々と生じることが予想されます。ビジネスの世界も目まぐるしく変化し、それに合わせて新たな人材が求められ、雇用の流動化がさらに進むことでしょう。
一方、日本に目を移すと、少子高齢化、生産年齢人口の急減、労働生産力の低下など厳しい時代を迎えており、子どもたちの未来は不透明感を増すばかりです。

国では、こうした状況をふまえ、21世紀のグローバル社会をたくましく生きる力の育成に乗り出しています。
小学校から大学まで、さまざまな教育改革が進められていて、これから小学校に入る子どもたちは、まさに新しい"21世紀型の教育”を受けることになります。

「楽しく自然に英語を学べる環境」
帝塚山学院小学校

グローバル化に対応する教育とは?
その1「自ら考え、判断し、表現する力」の育成

国では、グローバル化に対応する教育を大きく打ち出し、それに基づいて小学校の教育目標として次の3つを掲げています。

◆基礎的な知識および技能
◆知識·技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力
◆主体的に学習に取り組む意欲

以上の目標は、中学校、高校も共通です。3つの目標のうち、特に重視されるのが「自ら考え、判断し、表現する力」 です。これは、基礎力の次の段階となる応用力・活用力に当たります。
学校では基礎力重視の教育が行われてきましたが、これからは応用力育成に重点が置かれ、教科書で習った基礎 基本をもとにして、自ら考えるカや、表現する力を身につけることが大切になります。

こうした力を育てるために、今後の授業では、子どもが身につけた基礎的な知識・技能を、自ら活用する学びが増えます。たとえば、観察,実験やレポートの作成など。

また、教科を横断した課題解決的な学習や、探究的な活動も増えます。これは、子どもが各教科で身につけた基礎的な知識・技能を、自ら総合して課題に取り組む活動のことで、すでに総合的な学習の時間で行われています。今後はこうした活動がさらに重視されるようになります。

「予想・討論・実験で展開する理科授業」
四條畷学園小学校

その2「英語教育」の強化

グローバル化に対応する教育として、「自ら考え、判断し、表現するカ」とともに国が推進するのが、英語教育です。2020年度から全面施行された新学習指導要領では、小学校3・4年生は新たに年35単位(週1時間程度)の外国語活動が追加され、5・6年生では、英語を教科として設定し、授業時間数をこれまでの年35単位(週1時間程度)から年70単位(週2時間程度)に増やしました。
中学校では、英語の授業は「英語で行うこと」を基本とし、高校では加えて英語による発表や討論なども行うことをめざしています。

以上のように、小学校から高校、さらに大学まで英語教育が強化され、特に小学校~高校では、英語での「コミュニケーション能力」の育成に力点が置かれるようになります。
英語教育の開始年齢も現在より早められ、さらにこの先、小学校低学年からの英語教育も検討されることになるのではないでしょうか。

「国際教育~修学旅行にて留学生との交流活動~」
はつしば学園小学校

2020年度より大学入試が変更に

これから小学校に入るお子さんには、まだ遠い将来のことになりますが、2020年度より大学の入試が大きく変わりました。
新しい入試では、現行の大学入試センター試験に代わり、「大学入学共通テスト」がはじまりました。このテストでは、先に示した小学校の3つの教育目標のうち、「基礎基本の知識・技能」に加え、特に応用力としての「思考力・判断力・表現力」を問うものです。英語はライティングやスピーキングを含む4技能が重視されてます。これまでの知識暗記型の大学入試から、応用力·活用力を見る入試へと転換されました。
以上みてきたように、日本の教育は大きな転換期を迎えています。学齢期を迎えるお子さんの教育について、小学校・中学・高校、そして将来の社会像など、長い目を持って考えていくことが大切になるでしょう。

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私学の魅力、よさを知ろう

私立学校の特徴
その1 「教育理念 教育目標」「教育実践」

私立学校の特徴とは何でしょう。一言で表すなら、それは 「教育理念·教育目標」と「教育実践」です。
私立学校は、独自の教育理念や教育目標を掲げています。そこに学校のめざす子ども像が込められています。教育理念·目標の違いが、それぞれの学校のよさであり、個性です。

教育実践とは、それぞれの教育理念·目標にもとづいて行われる具体的な教育です。教育理念とともに、とても重要なものです。たとえば、伝統校では、長く受け継がれてきた理念にもとづく独自の教育実践により、代々優秀な子どもを育てています。

新設校では、これから優秀な子どもを育てていこうという意気込みのもと、自分たちの打ち立てた教育理念にもとづいて、その学校ならではの教育を実践しています。

その2 「校風」

私立学校の特徴として、「教育理念・教育目標」「教育実践」と並んで「校風」があります。どの学校も、校風を非常に大切にしています。校風は、目に見えない教育効果をもたらします。子どもの人間的な資質や価値観などを育むうえで、校風が大きな役割を果たすのです。家庭だけでは育てられない面も、校風が育ててくれるといえます。

「自由な校風」「真面目な校風」「温かい校風」「活発な校風」など、「校風」はたいてい短くわかりやすい言葉で表されますが、その「校風」をつくるものは、やはり教育理念と、日々の教育実践であり、その学校にかかわるすべての人――教師、子ども、保護者によってつくられます。
伝統校の校風は一朝一夕でできたものではありません。教師と子ども、そして保護者によって、長い歳月をかけて築かれ、揺るぎないものになっています。
新設校では新しく打ち立てた教育理念のもと、それにふさわしい校風を育もうとします。これは教師や子どもだけでなく、保護者も関係してきます。学校づくりという大きな教育事業に、先生とともに保護者も積極的にかかわることができるのです。その営みのなかで、校風が醸成されていきます。

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関西エリアの私立学校の特徴

小学校卒業後の進路保証

私立学校の特徴として、「教育理念・教育目標」「教育実践」「校風」について見てきましたが、ここでもう一つ大切な特徴をあげておきます。それは、小学校卒業後の進路保証です。これも小学校を選ぶうえで重要な点であり、どの私立小学校もそれぞれの学校の特色を生かして、進路保証に力を入れています。

その1 大学まで併設する学校

関西エリアの私立小学校は、中学·高校、大学まで併設する学校が多くあります。その場合は大学まで内部進学できます*。それらの学校を一部紹介しましょう。
*内部進学は、学校の定める条件を満たした場合に可能となります。条件については、各学校の規定をご確認ください。

追手門学院小学校

城南学園小学校

その2 高校まで併設する学校

多くの私立小学校が、中学校・高校を併設しています。そうした学校では、併設中学・高校への内部進学が可能です*。ではそれらの学校を一部紹介しましょう。
*内部進学は、学校の定める条件を満たした場合に可能となります。条件については、各学校の規定をご確認ください。

  • ・香里ヌヴェール学院小学校(大阪府寝屋川市)
  • ・賢明学院小学校(大阪府堺市)
  • ・城星学園小学校(大阪府大阪市)
  • はつしば学園小学校(大阪府堺市)
  • ・箕面自由学園小学校(大阪府豊中市)
  • ・愛徳学園小学校(兵庫県神戸市)
  • ・神戸海星女子学院小学校(兵庫県神戸市)
  • ・仁川学院小学校(兵庫県西宮市)
  • 雲雀丘学園小学校(兵庫県宝塚市)
  • 百合学院小学校(兵庫県尼崎市)
  • ・洛南高等学校附属小学校(京都府日向市)
  • 奈良学園小学校(奈良県奈良市)
  • ・智弁学園和歌山小学校(和歌山県和歌山市)

百合学院小学校

雲雀丘学園小学校

その3 併設校を置かない学校

小学校のみで、ほかに併設校を置かない学校として、須磨浦小学校(神戸市・併設幼稚園あり)があります。

須磨浦小学校

12年一貫教育・大学との連携教育

大学まで併設する学校または高校まで併設する学校の多くは、12年一貫教育を打ち出しています。こうした学校では、小学校からほぼ全員が併設の中学校へ内部進学します。

キリスト教カトリックの女子伝統校、小林聖心女子学院小学校では、小中高一貫教育として12年間を3ステージに区切り、4-4-4制のカリキュラムを導入しています。校種(小学校・中学校・高校)の枠を超えた学び合いや、小中高の教師間の連携を進め、中学の教員が小学校の授受業を教えたりするなど、学院独自の質の高い教育を行っています。

同じく、奈良学園小学校も4-4-4制のカリキュラムのもと、12年一貫教育を行っています。異学齢交流活動も充実しており、Primary(小1~4)では集団登下校を行うほか、縦割りグループで清掃活動に取り組んだり、毎年1回幼稚園児から高校生までが参加する合同運動会を開催したりしています。年上の子に優しく接してもらったり、年下の子がどうすれば喜ぶのかと考えたりすることを通して、子どもたちの社会性やリーダーシップを育成します。

2010年開校の関西大学初等部では、関西大学の教育理念のもと、小中高12年一貫教育を行っています。教科指導では12年間を一つとしてとらえ、初等部から中等部へ、中等部から高等部へと校種間での学びの“ギャップ”が生じないよう、体系的なカリキュラムを開発。思考力を高める学びなど、先進的な独自教育を行っています。

2014年に開校した洛南高等学校附属小学校は、東大・京大・大阪大などに多数合格者を出す全国レベルのトップ校 洛南高等学校の附属として、小中高12年一貫教育を打ち出しています。キリスト教主義の女子校・神戸海星女子学院小学校では、進学校として知られる併設中学校に優先的に進学でき、ほとんどの卒業生が内部進学します。

同志社小学校、同志社国際学院初等部も中学・高校、さらに大学までの一貫教育を打ち出しています。小学校卒業後の内部進学先として、同志社中学校・高校、同志社女子中学校・高校、同志社国際中学校・高校、同志社香里中学校・高校など4つの学校の選択肢があり、大学は同志社大学、同志社女子大学の2つがあります。立命館小学校、関西学院初等部、甲南小学校、奈良学園小学校なども一貫教育を行っています。

大学との連携も、大学まで併設した小学校ならではの教育です。近畿大学附属小学校では、近畿大学との連携で英語教育や理科教育、医学部附付属病院での体験学習などを行います。関西学院初等部でも関西学院大学との連携による理科教育を行っています。

小林聖心女子学院小学校

奈良学園小学校

関西大学初等部

関西学院初等部

中学受験指導を行う私立小学校

以上のように、ほとんどの私立小学校が、中学・高校、または大学まで併設しており、その特色を生かした一貫教育や連携教育を行っています。小学校卒業後の“行き先”も保証されています。
この進路保証と同時に、外部中学受験指導にも力を入れる学校が多いのも、関西エリアの特色であり、メリットです。私立小学校で学ぶ子どもは、卒業後は併設中学に進むか、外部中学に進むか、進路選択の幅が広がります。小学校の時点で、まだ卒業後の進路を決められない、または決めたくない、いろいろな可能性を探りたいなど、考え方はそれぞれです。

明治に創立し、110年余の歴史を刻む兵庫県最古の私立小学校・須磨浦小学校では、併設中学·高校を置かず、伝統的にほぼ全員が中学受験をします。独自のカリキュラムで国語·算数を中心に授業時間数を他の私立校より多く確保。放課後や長期休暇中の補習、単元テストなども行い、さらに6年生の授業の一部は進学塾の馬渕教室の講師が担当します。例年難関私立中学に多く進学しています。

追手門学院小学校も進学指導に力を入れ、例年難関私立·国立中学校へ多く進学します。

2003年開校のはつしば学園小学校では、そんな現代家庭のさまざまなニーズに応えるシステムをとっています。卒業後の内部進学先として、初芝立命館、初芝富田林、初芝橋本の3つの中学校を用意。同時に習熟度別授業、中学進学対策ゼミなど外部中学受験にも対応し、例年難関私立中学校への合格者を出しています。

サントリー創業者・鳥井信治郎が中心となって創立した雲雀丘学園小学校では、漢字や計算の反復練習などに取り組む短時間学習「ひばりタイム」や、ノート指導など、きめ細かい指導により能力を開発し、自習習慣を身につけさせます。卒業後の進路は、併設の中学校のほか、例年卒業生の約6割が外部の難関私立·国立中学校に進学します。学校では卒業生の進学データの蓄積をもとに、志望校選びのアドバイスも行います。

城星学園小学校、箕面自由学園小学校、賢明学院小学校、仁川学院小学校、百合学院小学校など、さまざまなエリアで中学受験指導に力を入れる私立小学校があります。

須磨浦小学校

追手門学院小学校

雲雀丘学園小学校

英語·国際教育、思考力 問題解決力の育成

国の方針として英語教育を強化することは初めに挙げました。ここで少しおさらいすると、2020年度から全面施行された新学習指導要領では、小学校3・4年生は新たに年35単位(週1時間程度)の外国語活動が追加され、5・6年生では、英語を教科として設定し、授業時間数をこれまでの年35単位(週1時間程度)から年70単位(週2時間程度)に増やしました。英語教育と並んで、「思考力・判断力・表現力」の育成も、国の重点項目となっています。

私立小学校では、ほとんどがすでに1年生から英語の授業を行っています。英語教育の長い蓄積を持つ学校も多くあります。1952年の創立当初から英語教育を展開する帝塚山小学校では、1年生から週2時間の授業を実施するほか、毎朝15分間の英語モジュール学習を行っています。授業は少人数制の採用や、ネイティブ教員と日本人教員のティームティーチングで実施するなど、早期から手厚い英語教育を行っています。
また、国際教育として海外研修旅行を実施する学校も増えています。

教育法も学校それぞれの創意により、独自色豊かなものになっています。四篠畷学園小学校では、英語教育の長年の蓄積をもとに実践的な授業を行っています。ネイティブ教員による長めの英文をどんどん聴き、「分かる言葉」をつなぎ合わせて全体の意味を考える――これを1年生から行います。加えて希望者対象に、英語音韻知覚訓練教室や英会話教室を放課後に実施します。

はつしば学園小学校では、英語を第二言語として学ぶ子ども達のために作られた教材「GrapeSEED」による英語教育を展開。「英語で聞いて、英語で考え、英語で伝える」をコンセプトに、「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランス良く身につけることを目標とします。1年生から年間120時間の授業時間を確保し、授業はネイティブ講師がオールイングリッシュで実施します。立命館アジア太平洋大学の留学生と交流する修学旅行やレシテーションコンテストなど、英語体験学習や国際教育も充実。全員受験の英語検定では、3年次で8割以上が資格を取得しています。

創立時より英語教育に力を入れている小林聖心女子学院小学校では、1年生から週2時間、1クラスを2分割し、ネイティブ教員と日本人教員によるオールイングリッシュの授業を展開。1年生から音とアルファベット文字の関係が分かるフォニックスを学びながら、中学年以降はリーディングにも入っていきます。系列高校で受け入れている留学生との交流も多く行い、「ジャパン·フェスティバル」では小学生が留学生たちに、生け花や着付け、お茶と和菓子、コマ回し、屋台の射的など日本文化を楽しく紹介するワークショップを開きます。

同志社国際学院初等部では、日本語と英語のバイリンガル育成をめざして、さまざまな教科を英語で学びます。母語である日本語を基盤として、その上で英語の力を育てていくという考え方のもと、6年間を通じてすべての授業時間のそれぞれ半分を英語と日本語で実施します。

思考力や表現力、課題解決力の育成も、すでに力を入れて行っている私立学校が少なくありません。関西大学初等部では、思考スキルを身につけ、論理的・多面的に考える力を育てる独自の教育法を開発。「ミューズ学習」の時間として、各学年で年間12時間設置し、思考力を育成しています。

小林聖心女子学院小学校では、総合的な学習の時間を「ソフィータイム」と名付け、学校図書館の活用や、校外での体験学習を行いながら調べ学習を行います。この学習によって、思考力や表現力、課題解決力を高めます。

「英語モジュール学習」帝塚山小学校

「英語教育」四篠畷学園小学校

「『GrapeSEED』による英語教育」はつしば学園小学校

「ジャパン·フェスティバル」
小林聖心女子学院小学校

「英語教育」同志社国際学院初等部

女子校・宗教教育を行う学校

関西エリアの私立小学校は、多くが共学校ですが、なかには女子校もあります。兵庫エリアの小林聖心女子学院小学校、愛徳学園小学校、神戸海星女子学院小学校、百合学院小学校。

これらの女子校はすべてキリスト教主義の学校で、多くが創立50年を超える歴史を築いています。なかでも小林聖心女子学院小学校はまもなく創立100年を迎える伝統校です。

男女共学でキリスト教主義の学校もあります。アサンプション国際小学校、大阪信愛学院小学校、香里ヌヴェール学院小学校、賢明学院小学校、城星学園小学校、関西学院初等部、仁川学院小学校、京都聖母学院小学校、同志社小学校、同志社国際学院初等部、ノートルダム学院小学校。

仏教主義の学校として、京都女子大学附属小学校、京都文教短期大学付属小学校、光華小学校、四天王寺小学校。

以上の学校では、宗教の時間や宗教行事などを通してそれぞれ独自の宗教教育を行っていることが特色であり、公立学校では得られない教育を受けることができます。

同志社国際学院初等部

四天王寺小学校

放課後預かり教室

両親共働きという時代のニーズに合わせて、放課後預かり教室も私立小学校に広がっています。宿題のサポートをしたり、読書して過ごしたりするほか、校内で塾や習い事もできる学校もあります。

百合学院小学校では、放課後に学習や習いごとに取り組める独自のプログラム “All in School”を学校主体で運営。算数や英語などの学力アップが目指せる「学力アップ対策」、学校内で習いごとができる「課外レッスン」、学童保育として機能する「ナザレトクラブ」、英語やスポーツなどにチャレンジできる「曜日指定保育」を展開しています。放課後にこれらのプログラムを利用しても、スクールバスで安心して下校できるように配慮されているのも利点です。

帝塚山小学校では、最寄り駅すぐにあるビルのワンフロアを貸し切った同校児童限定の「学園前アフタースクール」を設置。学校との連携のもと、宿題・日記などの課題のフォローをするほか、ロボット科学教室やチアダンス教室など、曜日ごとの講座を開講します。また、卒業生の母親がスタッフとして参加しており、保護者からの相談に対応できることもメリットのひとつです。

立命館小学校では、アフタースクールとして約20講座を開講し、専門家が指導します。また講座終了後には預かりの時間も設けています。こうした預かり教室の多くは費用がかかりますが、外部の塾や習い事に比べ低額で、利用しやすくなっています。感染症対策に注意しながら実施しています。

四條畷学園小学校では放課後教室として、放課後に算数国語教室やそろばん教室、体操教室、ストリートダンス教室、音楽教室など16におよぶ教室を展開しています。

小林聖心女子学院小学校では、放課後預かり教室「マイヤークラブ」を実施。思いやりや社会性を伸ばせるよう、1~6年生が仲良く一緒に遊び、協力し合いながら学習できる環境となっています。

「ナザレトクラブ」百合学院小学校

「学園前アフタースクール」帝塚山小学校

「アフタースクール」立命館小学校

ICT・プログラミング教育

2020年から全面施行された新学習指導要領では、情報活用能力が、言語能力などと同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置付けられ、教育課程全体で育成するものとなりました。小学校課程でのプログラミング教育が必修化となったほか、各学校ではコンピュータや情報通信ネットワークなどのICT環境を整備し、これらを活用した学習活動の充実が求められるようになりました。私立小学校では、以前よりICT環境を整え、プログラミング教育を実施している学校が少なくありません。

関西大学初等部では、思考力育成を軸に、プログラミング教育を展開。プログラミングに必要な関数の概念やアルゴリズムについて、体験を通して学ぶことができるように工夫された授業内容となっています。その他、一人一台の個人所有のiPadなどのテクノロジーを活用した革新的かつ先進的な取り組みが評価され、日本では10校あるApple Distinguished School 2018-2021にも選ばれています。

立命館小学校では、ほぼ全ての授業で個人所有のタブレットPC(3年生以上はsurfaceを個人で所有、1.2年生は学校所有のiPadを使用)を活用するほか、1~4年生の情報科の授業・ロボティクス科では、レゴを使ったロボット製作やスクラッチでのプログラミングを通して、物の仕組みについて学びます。5・6年生のICT科ではマインクラフトを使用し、京都にある世界遺産や伝統建築物を仮想空間に作るという、オリジナリティあふれる授業を実施。新しい取り組みを積極的に進めてきた同校は、マイクロソフト社が教育ICT先進校から選出するMicrosoft Showcase Schoolにも認定されています。

また、2020年の新型コロナウィルス対策による臨時休業措置の際には、多くの私立小学校がオンライン学習を提供し、子ども達は家庭にいながら、学びを進めることができました。

前述の関西大学初等部では、2台の端末を使い、教室での学びを再現したかのような、質の高い双方向型オンライン授業が実施されました。ほかにも、立命館小学校や追手門学院小学校、はつしば学園小学校、奈良学園小学校など、数々の私立小学校で授業動画の配信やZoomでのホームルームなどが行われ、学びを進めることはもちろん、児童が学校とつながっていることが感じられる教育が展開されました。

「プログラミング教育」関西大学初等部

「プログラミング教育」立命館小学校

生涯の友、生涯の恩師に出会える場

私立学校のよさは、学習など目に見えるところだけでなく、目に見えない部分にもたくさんあるから、ぜひそこも見ようとしてほしい――ある伝統校の先生はそう言います。目に見えない部分のよさの最たるものは、生涯の友、生涯の恩師と出会えることではないでしょうか。

小学校の6年間、また中高6年間の計12年間、加えて大学4年間、ともに学校生活を送るなかで友情を深めることができます。小学校から高校までの12年をともに過ごす間に、ほとんどが顔見知りになり、また先生も全校児童・生徒の顔を覚えます。

私立学校では教員のメンバーも大きく変わることなく、小学校の先生は教え子が中学、高校へ進んでも、ずっとその成長を見守ってくれます。

同級生、先輩、後輩 横のつながり、縦のつながり、そして恩師とのつながり。それは学校を卒業してからもずっと続きます。母校を愛する気持ちが、みんなの心を結び付けます。

やがて社会人となり、家庭を持ち……年齢を重ねるほど、校友のありがたみや、喜びを味わい、人生の豊かさを感じることができるでしょう。

小林聖心女子学院小学校

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私立受験、これだけは押さえよう

入試スケジュール、受験料

主なスケジュールは、面接は早い学校では8月末から開始、考査は9月上旬から開始する学校が多いですが、年々早まりつつあります。
面接は考査より先に実施、同時に実施、考査の後に実施など学校によります。また入試を前期、後期など複数回行う学校もあります。
受験料は10,000円~20,000円です。

入試内容
面接

多くが親子面接を実施。保護者のみの面接を実施する学校もあります。

子ともへの質問は、名前や誕生日、幼稚園名、幼稚園でのお友だちの名前、友だちとけんかしたときはどうするか、家でのお手伝い、お母さんの料理で好きなもの、休みの日の過ごし方……など。

保護者への質問は、志望動機、家庭の教育方針、子どもの性格について、子育てで気をつけていること、しつけについて、なぜ私学に入学させたいのか、家庭での話題、子どもがいちばん関心のあることは何か、子どもにどのような父親(母親)と思われているか……など。

考査

大きく分けて行動観察、ペーパーテスト、個別テストがあります。
行動観察はグループで行うことが多く、遊びやゲームを通してコミュニケーション力や協調性を、絵画や工作など課題制作を通して創造性や表現力を、ボール投げやけんけん、なわとび、かけっこなどの活動を通して体力·運動能力を、生活課題を通して生活習慣·生活知識、巧緻性などを調べます。たとえば、ハンカチの使い方、洋服たたみ、箸の使い方、ひも結びなど、広く生活に関する課題が出されます。

ペーパーテストでは、主に数量、図形、記憶(お話を聞いて内容を記憶し、質問に答える)、常識(季節、植物、野菜、虫、果物、年中行事などに関する常識問題)、推理思考(対象図形、重ね図形など)の分野から出題されます。また電車マナーなどもペーパーで出題する学校があります。

個別テストでは、子どもと試験官の1対1または1対2などにより、口頭試問的なテストを行います。絵を見てお話をつくったり感想を述べたりする、おはじきなど具体物を使って数量の問題に答える、ランチョンマットに食器を並べる、洋服を風呂敷に包むなど、知識、生活常識、巧緻性などを調べます。

初年度学費

学校により開きがあり、初年度合計学費*70万円台~100万円台に集中しています。70万円以下の学校もあります。入学金は10万円~40万円程度、年間授業料は30万円~60万円程度となっています。寄付金は任意で、取っていない学校も多数あります。
*受験料、入学金、授業料、施設設備費、教育充実費、PTA会費、冷暖房費等。

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